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(5)カーペンターからペインターへ




ここインドのプリーを訪れた理由は二つあった。

一つは、ツーリストオフィスで働く友人スサントとの再会。

そしてもう一つは、行きつけにしていたオムレツ屋の親父との再会。


プリーは海岸に面し、リゾート地としての顔と、インドでも最大級のヒンドゥー教寺院、

ジャガナート寺院が建立する地としての顔をもつ。

しかし、6月から8月がインド人すら嫌がるほど、くそ暑く、ツーリストの数は激減する。

6月の初めと終わりに行われるビックフェスティバルを除いては、、、。



オムレツ屋のおやじは、私の事をよく覚えていてくれた。

そして3年前のようにチャイ(ミルクティー)を頼み、お互いの事を話した。

2年前に台風で飛ばされて、中古の木ばかり集めてこの屋台を作ってもらったと言う。

そう言えば、移動式だった屋台の車輪は見当たらず、虫食いの板がやたら目立つ。

おまけに一つのベンチは腐って壊れたまま放置されている。

“日本人も通るのだが、こう汚くて小さい店だと見向きもしない。”と言う。

一肌脱ぐことにした。英語と日本語で看板を書くことにしたのだ。

セールスポイントは一杯2ルピー(6円)のチャイ。これを日本語で書き、

最後に“ほんとに安くておいしいよ!”と書き添えた。

翌日から、ぼちぼちと日本人が訪れるようになった。

屋台で一緒になった日本人が言った。

“この店安くて美味しいのに、なぜ流行ってないのですかね?”

この店を、気に入っているのは自分だけじゃないと思うと嬉しくなった。


10年前には小さなキャビンで店をしていたが、漏電が元の火事で店を失ったらしい。

“まじめに働いていれば、神様はちゃんと見ている。

ほら、こうやってお前が助けてくれただろ。“と、のんきなことを言っているおやじが大

好きだ。

ベンチも修理してあげたかったが、道具がない。仕方なく家具屋へ行き、ベンチをオーダ

ーした。

それから、オムレツやチャイはタダになり、奥さんが作ってくれた夕食などもよばれた。

なにやら悪い気がしたが、好意に甘えることにした。


“次に来たときは、俺の実家へ行こう。ここから30Kmほど離れたところだ。

近くには、海があり山もある。きれいなところだ。“

嬉しいことを言ってくれたが、果たして次にいつインドを訪れるか自分でもわからない。