(10)寅さんのお見合い本番




“期待するな!!”そう昨日から自分に言い聞かせるのだが、

期待せずにいられる訳がなく、約束の11時を前に一人でウキウキしていた。

11時50分。バイラジャさんと連れ立って、待ち合わせのGPO(中央郵便局)前へ向

かった。



到着し、バイラジャさんは彼女の姿を探す。

テンポ(三輪タクシー)の影から現れた彼女とご対面!!、、、、。

(ここでは感想を控えよう。)

彼女の名は“ソシ”。色鮮やかな水色のクルタスワール(インドバンジャビ地方の民族衣

装)に身を包み、鼻の窪みに金色のピアスをしていた。

“おはようございます。”

バイラジャさんの教え子だったソシは、極簡単な日本語が話せるようだ。



レストランで少し話した後、カトマンズの南にあるカーリー寺院へ向かった。

そこでは多くの参拝者がヤギや鶏を生にえとして持参していた。

ヒンドゥーの神、カーリー女神の像を前に、生にえたちは首を刎ねられ血が滴り落ちる。

そう言った風習の無い日本人の自分には、その光景はかなり残酷に映った。



ソシとの会話の中で、彼女はよく踊りに行くと言っていたので、夜にDiscoに行くことに

した。

Discoの設備は日本と然程変わりは無かったが、国王の死後、危険回避のため、ネパール

人も夜間の外出を控えている様で、以前は超満員になると言っていたDiscoもこの日の客

は10人前後と寂しかった。



残念ながらソシは、タイプでは無かったが、ネパール語、英語、日本語の飛び交う楽しい

時間を過ごせた。